「酔っ払い猫の寄席」
某日眠りに入る前に頭に浮かんで、
忘れないように旦那に伝えてから寝た。
その日の夢
わたしは旦那と付き合ってなくて、別の人と付き合ってるのに
旦那とお互いパン一で遊びに行く夢だった。
調子の悪い日の夢の中では、脚が全然動かなくて身体が重くて苦しいけど
今日の夢は身体が軽くて軽くて、飛び跳ねるように二人で移動した。
手を繋いで身体を寄せて宙に浮くのは楽しくて、どうして付き合ってないんだろうと思った。
着いたのは古い廃墟ビル。
一階にはパチンコ、地下には喫茶店、四階建てくらいの火事で焼けたビルに見えた。
一階のパチンコ店はガラス張りになっていて、中から張り紙がされていて
「俺たちの楽園もどってこい」だの「火で焼け出されて俺たちの闘志も燃えている」だのそんなようなことが書かれていた。
中を覗くと焼け焦げた台や椅子が痛々しい。
しかしもうすぐこのまま開店するのかもしれないという予感がした。
旦那はずっと前からこの廃墟の喫茶店のことが気になっていたようで、こんな噂を教えてくれた。
「喫茶店には絶対にたどり着けない。霊が迷わせるから地下には行けないようになっている。」
なんじゃそりゃと思いながら地下へと続く階段を降りる。
カビと植物が這う廊下にはなぜか人がちらほらいた。その中で目をひいたのは警備員の姿だった。
なんでも廃墟巡りの対象として有名でひやかしにくる人が多い上に、霊がつくる迷路に迷ってしまう輩ばかりなので、正しい道を教えるために警備員を常駐させているのだそう。
警備員やひやかしに来ているであろう若者とすれ違いながら地下へ地下へと降りてゆく。
外から見た時には喫茶店は地下一階にあるように見えたのになかなか着かない。
五階分くらい降りて、外の景色を眺めてみると、わたしは地下五階どころか地上まで三十メートルはあろうかという高さに来ていた。
降りてきた階段は降りる専用で、なぜか登れなくなっている。
これが迷わされることかと思いながらいつの間にかはぐれていた旦那に電話をかけ、もう出ようと伝えた。
合流し警備員の指し示す方に進んでいると、広いコンピュータ室が左手に現れた。
コンピュータ室は焼け焦げ真っ黒になっており、誰かが面白半分に置いたのか、さまざまなマネキンが椅子に座っておりギョッとする光景だった。
中には生きている人間もいるようでマネキンの真似をしていたが、生気が吸い取られ顔は真っ白、身体は動かず本物のマネキンのようになっていた。
家に着き、そういえば本当にわたしと付き合っているのは誰だっけと思いただいまと声をかけると嵐のニノがおかえりと出迎えてくれた。
AIにも難しかったみたい